① 強みを最大に活かした経営戦略
自社が持つ最も大事な強みを尖らせる
マーケティング戦略の教科書に「SWOT分析」というものがあります。やったことがない方は是非これをやってみてください。
SWOT分析とは、自分たちの内部の強み(S)と弱み(W)、外部環境としての機会(O)と脅威(T)を洗い出してみることです。
ここで特に大事なことは、自分たちの強みや弱みが何であるかをしっかりと見つめなおすことです。その上で、今現在の外部環境においてどこを強化するべきか、どこの弱みはあきらめるかを明確にすることが大事なのです。
例えば、工務店の場合の強みとしては、「地域密着」「社長の人柄」「技術へのこだわり」というようなことが挙がるケースが多いです。また弱みであれば「知名度」「営業力」「デザイン力」などがよく出てきます。
これを今の時代環境を考えながらどの強みを活かすべきか、どの弱みを解消すべきかということを徹底的に考え抜くということが必ず必要になります。
その場合、えてして弱みばかり目に行きがちです。「うちは営業力がないから、ハウスメーカ出身の優秀な営業マンを採用したい」という発想や、「お客が来ないのは知名度が足りないからだ。多少お金を使っても広告をたくさん使うべきなのか」などのようにです。
当然、弱みを解消していくことは悪いことではありません。しかし、順番として、最初に行うことは強みをもっとブラッシュアップしていくことです。先ほどの会社のケースであれば「技術へのこだわり」という部分をもっと強くして「構造性能をどうする」「断熱性能をどう上げていく」という部分をもっと深く掘り下げていくことで、それが顧客にとって魅力的に思えるような戦略を組み立てるということになります。
当然そこに「地域に根差しているからこそ安心感」や「社長が真面目だからこその信頼感」を付加しながら、自社が顧客から見て目に留まってくれる魅力的な会社にしていく工夫をしていくわけです。
「知名度」や「営業力」はそのあとに取り掛かっていくべきです。その弱みも全て解消しなければならないというわけではありません。
例えば、「営業力」という部分では営業マンパワーに優れた人材を確保するというより、そこは諦めて、普通の営業力でも成約できる戦略を考えるという方法もあるのです。
ほとんどの顧客は1社だけを見て決めるということはありません。
深くか浅いかは別として、色々な住宅会社を見比べて最終的に1社に絞るケースがほとんどです。
ということは、成約に至る顧客というのは、自社が他社に比べて強く魅力を感じる部分があったということです。
それが強ければ強いほど営業が楽になるということなのです。
そんな経営戦略を軸に考えていくことが「規模の小さな工務店の進むべき道」だと私たちは考えています。